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2005年 10月 20日
衛兵日記 part 3
 当番時間 10:00-12:00

 歩いてきましたよ、えぇ。でも終わってみての感想は「なんだこんなものか」と言う程度だ。たくさん汗かいたし、疲れたには疲れたが、先輩達の言うほどでもなかった気がする。思えば前回の夜行軍は軍営をぐるぐる8週回ったが、その単調な感じの方が疲労感はあった。今回歩いたのは山道だし、水門周りは広くていくら歩いても抜け出せない感覚はあったけど、景色は移り変わるし、なかなか眺めが良かったりするので、リフレッシュしながらの行軍となった。
 軍営に戻って銃をメンテした後に、ちょっとした事件が起きた。汗だくになったんだし気持ちよくシャワーでも浴びようかと思ったら、なんと、水が出ない。いくら蛇口をひねっても無駄、出ないものは出ない。仕方がないから他の部隊の浴室を借りて無事に洗う事が出来たが、本当にうちの宿舎はよくこういうことが起こるので困る。夜は段々と冷え込んできているのに、未だお湯が出なくて寒い思いしてるし。
 それはそうと昨晩は素晴らしい事に深夜の衛兵当番がなかった。夜行軍が実施された事への考慮と、運良く昨日は休暇から戻った人が当番を変わりに受けてくれたので、夜はゆっくりと休めた。衛兵をしているものにとってこれほど嬉しい事はない。

 当番時間 22:00-24:00

 昼の当番を終えた後は宿舎に戻って休んだ。後輩が持ってきてくれた弁当をあり難く食べ、昼寝をした。昼の当番は時間的に食堂にいって昼食をとる事が出来ないので、当番の時はいつも次の番が昼食を用意してくれる。これで安心して当番につくことが出来るという訳だ。
 午後は軽く討論の授業をした後、ソフトボールの対抗試合に参加した。こうして球技で遊ぶのはかなり久しぶりで、なかなかない事だったりする。試合は敢え無く大敗を食らったが、結構楽しめたのでよしとする。そして夜は月一度の晩餐会が開かれ、いつもより豪華な食事をした。飲み物も飲み放題だしなかなかの計らいだと思う。しかしやる度に食べ物の質が落ちている気がするのはなんとも部隊の経済状況を表している。
 今日この当番が終わればもう今迄みたいに日記が書けないかもしれない。明日から守る場所が変わるかもしれないからだ。ここは楽だし替えてほしくはないけど、衛兵に立てる人が少ないから仕方のない面もある。
 この頃後輩達と話していて思うのだが、彼らの年齢が若ければ若いほど、「疲れて死にそうだ」とか、「大変すぎて気が狂いそうだ」などという表現を簡単に使っている様な気がする。それに関係した事で、小さな事でもすぐに文句を言ったり、弱音を吐いたりする。やはり若いほど苦労に耐える事が出来なくなっているのか。もちろんこれは一部の人を言っているだけなんだけどね、ちゃんと礼儀もわきまえも分かって懸命に働く人はもちろんいる。ただ、割合的にそういう人が少なくなっているような気はしている。「死ぬ」や「気が狂う」などの類の言葉は、簡単に口にしちゃいけないと思う。ていうかそう教えられてきた。それはやはり縁起の悪い言葉だし、本当にそうなったらとても恐ろしい事でもあるし。まぁこれはオレ自身が後輩にとって話しかけやすく、後輩達が気を許して色々と話してくれているから、そういう言葉が飛びやすくなっているのかもしれないけど、それにしても聞いていて気持ちのいいものではないので、これからゆっくりと教えていこうかと思っている。彼らのような人にとって、兵役は本当に色々学ぶのにいいものなのかもしれないと地味に思ったりして。とは言え、軍のレベルが段々と落ちて、学べる事が少なくなっているのは否めない事実でもある。

by aynil24 | 2005-10-20 22:31 | in the cage | Comments(0)


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